第3回
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■ 妖精の泉「ダンジョンの条件」

僕は京都に居を移して8年目になる。
街並みは変わるというし、街並みを歩くことは人を詩人にするという。

突然ダンジョンに放り込んで申し訳なかったが、これはいろんな場所にある、建築を、街並みをダンジョンとして捉えなおし、かの文豪・夏目漱石が明治の世に行った建築物へのあくなき関心の向け方を、2000年代初頭に時を移して行ってみることなのだ。

幼少のみぎりより遊んだテレビゲームにはよく、ダンジョンが登場した。8個のダンジョンをクリアしないとお姫様は助けられないものだった。敵役にとってみれば、ダンジョンは防衛要塞でもある。思考の限りを尽くして外敵をやっつけられるような方法を考えている。その中でも大きな効果として活用されていたのは、「萎えさせる」という技法だ。

日本においても、世界各国においても、防衛要塞というものは多数存在した。しかし防衛要塞とは敵の進撃を何が何でも喰い止める為、堅牢になり相手を威圧し、実際問題、塹壕を掘って進まねば落とせないようなものだったという。日本においても城攻めに際しては水攻めや兵糧攻めなど相手の士気をそぎとってゆく戦い方がよく行われていた。

ここでのダンジョンの定義とは、来場者を萎えさせること、でも攻め込みたくなるもの、といういやらしい、エッチな心地にさせてくれる建物や建造物のことだ。

しかしそんな感覚的なことばかりでも華はない。いくつかの視覚的体感的条件もある。


● 見つけにくい階段
裏側にかくれていたり、見えてるのに裏側にいかないと登れない階段。テラスをスタスタとあるいてくると、階段の裏側に出てきてしまって登れない、というような意地悪さ。子悪魔的だ。

● 壁の多用
人間の身体に比較した、適度な大きさの壁と空間は重要。そういう意味では枯山水という精神は、ダンジョンではない。インナースペースのダンジョンかもしれないが、やはり即物的体感もダンジョンの重要な要素だ。

 
     
 

そして、壁にはりつくような、見た目より登るのに時間がかかってしまいそうな階段をこの二つが織り成していると、また、よい。

   
     
 

ダンジョンとは織り成しだ。絡みでもあり、まとわりつきでもある。らせん、ってやつは、ちょいとお上品な部類かもしれない。

   

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