第8回
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14
■ a gene(1)

 −更新するのが一年以上ぶりになる。何かと仕事が忙しくて、家でPCを触る暇が無かった。(しかし、テニスは今年、現時点で79回やっていたりする)「現在の子供」と、「このサイト上の子供」には3年程のズレが生じてしまい、微かな記憶を辿りながらの執筆となった。

 子供がこの星に誕生して8ヶ月を過ぎた頃、妻がテニスを再開すると言い出した。出産後の激しい運動はあまり体によくないらしいが、軽くリハビリ程度で行うというし、体がなまっているし、何よりストレス解消したいという。やむなく土曜日のテニススクール再開を認めた。つまり、私には、毎週土曜、3時間弱の子供の御守りが義務化された。

 休日の晴天の中、妻をテニスに送り出し、子供と過ごす。なんていい旦那だろう。俺ってマイホームパパだったんだ。はじめて知った。「あー」とか「うー」しか言わないながらも要求どおりのミルクを入手し、おしっことウンチを集中豪雨時の御笠川のように垂れ流す息子と2人きり。窓ガラスの向こうは blue sky。目の前のgreenのウンチはさほど臭くないもののやはり匂う。・・気分転換に外の緑も見に行こう。いざ近所のスーパーへ買い物。

 子供をA型ベビーカー(大丸の新年大バーゲンで買った激安モノ)に乗せ街を歩く。子供と一緒にいると、街中で出会う人々からの様々なリアクションをうける。

 パターン1。にこやかに子供に微笑んでくる人々。赤の他人なのに子供に触ってきたり、返事ができるはずもない子供に話しかける正に子供好き。これは親としてうれしい。

 パターン2。僕らはマル無視される。僕らは彼らの視界には入っているが、全く関心がないので彼らの眼球の白い部分にか僕らは写らない。「あの、ちょっとは見てくれても」と話しかけたくなるが、よく考えると子供嫌いの自分もこのパターンの人間であった。

 しかし、今の私はパターン3。冷静に他人の子供を見つめる。話しかけることは無く(なかなか他人の子供には。。)、あくまでも、自分の子供との比較対照としてのサンプルとして評価を行う。ベビーカーのメーカーがコムサだったりすると、「うーん、リッチやなー」と感心したり、身長や肉付きをチェックしてしまう。

 週末はよく三人で外へ出掛けた。私達はベビーカーをまるで体の一部であるかのように手放さなかった。ベビーカーと共にテニスへ出掛けるという暴挙まで始めた。どちらかが仲間とテニスをしている間はもう片方が子供の面倒を見る。泣き出した子供をあやすために、コートの周りをベビーカーを押しながら狂ったように何周もしていた。

 ワルノリは加速する。テニスの帰りに子供が眠ったらしめたもの。食事のチャンスだ。ファミレスはおろか、行きつけの居酒屋にも進出。ベビーカーをテーブルに横付けして鬼の居ぬ間に大急ぎで酒とつまみを流し込む。一時間が勝負だ。しかし、居酒屋の騒がしさのために子供が起きてしまうことも。抱っこしなければ。カウンターで、片手で子供を抱きながらもう片方の手で焼酎のロックを飲み干す夫婦はあまりお目にかかれないことと思う。さほど周りに迷惑をかけた覚えはないので、当時はおとなしい、ききわけのある「いい子」だったのかもしれない。

 私ばかり週末に子守をしていられない。妻に負けじと私もテニススクールへ通っていて、妻と子供を家に残してプレイをしていたある日のこと。コートの外から視線を感じる。”光線”の発信元は知らない女性だった。にこにこ笑っている。誰だろう。レッスンが終わった後、彼女の横を通り過ぎる時に声をかけられた。「『パパ夫』さんですよね?」私の名前を知っているということは逆ナンパではなさそうだ(^^;)。

私「はい、そうですけど。。」(あなた、誰??)

女性「いつも奥様にはお世話になっています。うちの子供とも一緒に遊んでもらっていて」

私「あ、そうですか。お世話になっています」

しかし、謎は消えない。疑問をぶつけた。

私「でも、どうして私がパパ夫だとわかったんですか?」

女性(笑いながら)「だって、お子さんと顔が一緒なんだもの。。」

(つづく)


<- ひとくち感想はこちらからどうぞ



Copyright (C) 2001-2005 CARAMELPOT.COM