第15回
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20
■通勤は戦車でする

 信号が青に変わり、発車するのが遅れた途端に、後続車両からぱあああぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱ『はよ行け!』と、クラクションを鳴らされた。僕だってとろい方だし、まーせっかちな人は仕方ないであろう。

 その車は、信号が変わっても後方についてくる。
 次の交差点で、信号が黄色から赤に変わったので停車しようとすると、そいつはさらに執拗に、クラクションを鳴らしまくって停車を認めようとせず『きさま、信号無視してつっこめ、おれがゆけんだろ!』とばかりに、ぱぱぱぱぱぱぱああああああぱぱぱああああああああああああああああ、と鳴らされた。ちょっと頭に来た。信号が青に変わってさらに、次の交差点で右折する。すると後続車のやつは、またも後ろにくっついてくる。

 そして、どう考えても、対向車が猛進してきているのに、右折を強要させようと、背後から、ぱあああああああああああああぱぱぱぱぱああぱぱぱぱぱぱぱぱあああああああああ、とか鳴らされたりするので、完全にぶちきれることにした。


 天蓋から背後を振り返り、『うるせーぞ』と、つぶやきつつ、気合いを入れて、車内無線電話で操縦手に命令する。
 『後進いっぱああい』

 わが、一式中戦車は、一七.二トンの車体てもって、ぱあああああああああああああああああああああ、あぱぱぱあああああああああああああ、っと鳴らしていた無力なあほ車を蹂躙してやった。
 忍耐にも限度が、寛容にも限界があるということだ。

 

 天神交差点でのことだ。
 左折していると、その外側から、ぶああああああああああばばばばばばあああああああっと、追い抜いたタクシーがいた。そいつは、自分の車の頭を俺の車の前にかみこませて、強引に左折してゆくつもりらしい。自分の身を壁にすることで、人に急ブレーキを踏ませて自分だけ、先に行こうとする了見だ。

 でも、僕の車は戦車なので、そのようなこざかしい動きにはすぐに反応できない。操縦手の位置からは、タクシーの身を挺した割り込みが見えるはすがないので、車長の俺が知らせない限り、急には停車できない。俺はもちろん黙っていた。

 ぐごごごごごごご、がが、ががが、が、ががががが、がりがりがりがりがりりりり。

 操縦手が、驚いて車内無線で『何かひきましたか?』と通信してきた。
 『異常なし、前進!すすめーっ』と答えておいた。通過するとタクシーは、屑鉄になっていたが、自業自得の所業なので、しったことではない。

 交差点を右折しようとしたら、一般車両や大型バスなどの直進車が信号無視してどんどんつっこんでくるので、右折できないでいるうちに、信号が赤になってしまった。交差点の真ん中で立ち往生である。

 これというのも、信号無視してつっこみ続けている直進車両が元凶なのだ。信号無視して、何喰わぬ顔で走り去って行く一般車両や、『私は黄信号で停車します』とステッカーを貼っているけれども、赤信号は無視して突っ込んでいった大型バスめがけて47ミリ砲を発射して、スクラップにした。

   
 
 九州自動車道のある区間は1車線しかない。時速45キロの最大速度で走っていると、背後から同盟国製の高速車両がやってきた。国産車をけちらしながら、ここまでやってきたらしい。俺の車のそばまで迫った。


 せっかちな、おっさんの車は、前照灯を照射点滅して、道を開けるように迫る。応じないとわかると、極端に車間距離を縮めて、いやがらせをする。うとましいので、撃退することにした。

 
 
 相手が、車間距離を極端に縮めた瞬間を見計らって、操縦手に『減速!減速!減速!』と命ずると、車体後部に、おっさんの車が追突する音がした。

 前面装甲の五〇ミリほどではないが、後部もそれなりに装甲があるので、おっさんの車もひとたまりもない。追突して前部をひしゃげさせて、たちまち後落したので、俺は、天蓋から身を乗り出し、南部一四年式拳銃を握りしめて、運転席めがけてトドメの銃撃を加えてやった。やつも、少しは懲りるだろう。

 このごろは、平日でも、爆音を響かせて、でたらめ運転する集団が出没する。交差点で信号無視して、ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる回り続ける、はつかねずみみたいな原付バイク野郎とか、黒シールドした車両とかがいて、その間、一般車両は『触らぬかみにたたりなし』状態をお決め込んで、クラクションを鳴らしたりしないで、じっと堅忍している。

 こういうときこそ、短気なやろうは、クラクションを鳴らせばいいのだ。

 堂々と交通法規を蹂躙すると、恐れた周囲の人々は、近寄ってこないので、道路をわがもののように楽に使えて快適らしい。私も、交差点ぐるぐるの輪に割って入る。砲塔を旋回しつつ、時折射撃し、機銃も乱射していたら、周囲のはつかねずみ集団が、全車道路に叩き潰されていた。

 ほかにも、交通戦争の戦線において、無念の体験をした人々がいたら、わが帝国陸軍が誇る四七ミリ砲を備えた一式中戦車で出撃するので、いつでも声をかけてください。

 これを書いていて、実際に、戦車とか運転するやつとかいないよなー、なんて、思っていたら、アメリカで女性が、交通事故が物騒なので、軍から払い下げた?(うんなもん払い下げるのか??)戦車を購入してマイカーとして運転している、という新聞記事を読んで、実際にそんなやつがいるのかーって思ってしまいました。

【本日のネタもと】
http://village.infoweb.ne.jp/~fwba0050/index2.htm
【無敵の一式中戦車】
http://www.d-b.ne.jp/t-key/army/j_tihe.htm
   

<- ひとくち感想はこちらからどうぞ



Copyright (C) 2001-2005 CARAMELPOT.COM