第12回
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■俺のせいじゃない!(と思う)贔屓の店が次々に閉店に

 「うげ、つぶれとう!」
 久しぶりに訪ねていった店が、閉店になっていてあせることが、よくある。知人とカレーバイキングに行こうと、ソラリアにでかけていったところ、閉店になっていたことがある。 店内はもぬけの空なのである。

 なにを隠そう、私が好きで通っている店は、なぜだか知らないけど潰れることが多い。店にとっては縁起でもない客といえよう。

 潰れる頻度というのは、恐ろしいものがある。福岡に来る前に住んでいた、飯塚市伊岐須のアパートの周囲は、昔ながらの商店が密集する庶民的な商店街で、それは気に入っていた。

 「ああ、いいところに住んだなあ」
 そう喜んでいた年のことだ。

 地域商店の中核をなしていたスーパー『ジャスコ伊岐須店』が撤退した。
 それを境に、町は一気にさびれまくり、福岡銀行は撤退するわ、3軒も軒を列ねていた、お菓子屋は1軒になり、総菜屋は撤退、八百屋は廃業、すっかりさみしくなってしまったのだ。

 このあたりまでは、まあ、景気も悪いし仕方ないなあ。
 そう考えていたが、福岡に戻って来てからも、通っていた飲食店が潰れていて驚くこともしばしばだ。


 良く行く、喫茶店も潰れていた。
 しかも、潰れ方が曖昧なものまであって、とまどうこともある。

 巨大なスピーカーをおいていた地下にある、とっても素敵なムードの喫茶店。入り口の案内板がないので、一瞬不安な気持ちがしたが、地下にもぐると、店が営業していたので「ついとるー」と大喜びした。
 夜中まで営業しているのでお気に入りの店なのだ。
 「おおーあいとるばい、ラッキー」といいつつ、知人をつれて席につくと、店の雰囲気はかわらないのだが、スピーカーがなくなっている。

 


 ふーん。聴く人がいないので片付けたのかな、ちょっと残念。
 そうおもいつつ、まあ、いいかーお茶でも飲もう!メニューを見ると、イカの塩辛、下足焼き、テンプラ、さつまあげ。。。なんぢゃこりゃああ。

 店の人に聞く。
 「お茶とか珈琲とかのメニューください」
 「は?」

 は?ぢゃねえよなあ。
 「あの、ここって喫茶店ですよねえ」
 不吉な暗示を感じて控えめに聞くと、店の人は気の毒そうに答えた。
 「先月で閉店して、そのあとうちが入ったんですよ。今は居酒屋なんです」
 居酒屋になったんだったら、もっとムードを一新してほしいぜ。

 よく通っていた薬院のロイホ。通勤途中にパンを買っていた天神地下街のフランソワ。しょっちゅうでかけていた須崎町のタイスマイル。 浄水通りの中華料理店『翠宮』と蕎麦屋『浄水庵』も、つい最近訪ねると潰れていた。フランス料理『鹿鳴館』も建物ごと消滅した。

 喫茶店シリーズで訪問して登場した
http://www.nishinippon.co.jp/media/A-3000/9712/cafe/index.html

 ここで描いた心のチェーン店もどんどん閉店し、今はひとつを残すだけなのである。

 魚料理がおいしいので通い詰めていた芥屋ビーチホテルは、先日、久しぶりに車で乗り付けると、廃虚になっていた。ぞっとするぜー。

 本日、平成14年3月21日も例外ではなかった。
 「古い昔ながらの喫茶店があるんだけど。今から行く?」
 と知人を案内してでかけた新天町の『千鳥屋本店』を訪ねると、建物ごと消滅していた。重機が更地にしていたのである。跡形も無い。これにはびっくりした。

 「ぢゃあ、似たような店があるから」
 と、同じ新天町の『エルベ』喫茶室に案内すると、「喫茶室は閉鎖しました」というはり紙がしてあった。

 なんということだろう。二軒の店をぶっつぶしてしまうなんて。

 潰さないまでも知人を案内したところ、案内した店が、立続けに休業だったこともある。それも二軒や三軒ではない。タクシーで乗り付けた一軒目が臨時休業。次の店も閉店だった。三軒目は、電話したけど誰もでない。唐突にその週から火曜が定休日になったそうだ。四軒目までもが臨時休業していた。とにかく徹底的に拒絶されるのである。

 店が7日に一度は休業することを認めるとしてもだ。4つの店が立続けに入れない状態に陥っている確率は、7×7×7×7分の1ではないのか。そんな奇跡的な不幸を呼込む人間だというのだろうか。俺は。

 ちかごろ、かねて安息の場にしていた、浄水通りの喫茶店『チャイハナ』が改装再オープンするというので、落胆している。俺にとっては最後の聖地みたいな喫茶店だ。

 このところ入り口には常に『繁忙期につき臨時休業します』というはり紙がしてあった。悪い予感がする。バブル期に常時三人いた店員は、すでに一人に切り詰められていた。俺が通ったせいで、だんだんと経営が悪化して、ついに店内改装に追い込まれたのなら、気の毒というほかない。バブル時代の栄光を引きずるようなゴージャスな作りに問題が生じて採算とれなくなったのは明白なので、「子供お断り」の店からファミリー向けに。紅茶だけのメニューから「なんでもあり」のありふれた店に改装すると思われる。

   
 
 というように、好きな店がどんどん潰れる。大切な知人を案内した日に限って拒絶される。地域ごと寂れてしまう。あなりに強烈な破壊力なのである。飲食店にとっては、俺は、とんでもない厄病神だ。

 しかしまあ、モノは考えようで、ここまで負のパワーが強烈だと、なにか役にたてることがあるのではないか。近頃、思うこともある。

 
 


「俺が通えば、どんなに流行っている店も必ず閉店に追い込みます」
「まちごと寂れさせることも可能です」

 というわけなので、僕のパワーが必要な人は連絡をください。ただし、俺が惚れ込むような店や町でないと、通わないわけなので、居心地よい店を誰か教えて下さい。

【行きつけの本屋が潰れて嘆く人のページ】
http://homepage1.nifty.com/yattoko/news/news_001.htm

   

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