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第7回 | |
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| ■ 携帯電話で悲恋を解消 菊田一夫原作のドラマ『君の名は』は、かなり好きなドラマだ。 主人公2人が冒頭にいきなり出会って以来、1年に1度と決めた再会の機会をことごとく逸してしまい、何年たっても二回目が会えない、という展開がまったくないドラマなのである。 展開の速度が勝負の現代の恋愛物語からすると、ほとんどありえないような物語である。現代の放送作家が、このような展開しない恋愛を台本に書いたら却下されたかもしれない。 再会する場所にどちらもでかけようとする。実際にでかける。しかし、目前で暴漢に襲われて、すぐそこに相手がいるのに、ぶっ倒れていたり、約束の当日になって、どうにもならない用事が突然にできたりして、ゆけない。 いっそ彼等に携帯電話を持たせてやれば、何年もすれ違わないで、すんなり交際できたのにと思う。「ごめーん、あたしいけなくなっちゃったー。おじさんがさあ、東京にいちゃだめだって、佐渡につれてかれたのよー。じゃ、ついたら電話するからまっててね」と軽く、約束違反を説明することができる。 また暴漢に襲われたときでも「うううー、あー真知子さん?おれね、いま、橋のそばまできたんだけど、愚連隊のやつらに殴られてさあ。ぶったおれとるったい。いまどこおる?ああーそれやったら、反対側の橋のたもとまできてくれー。いてえよおお」と状況を説明することができるのである。 すれ違ったまま、真知子さんが別の男と見合いして結婚することもなかったのだ。 こんな便利なことはない。 ![]() |
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さらに先日、テレビで見た映画『ロミオとジュリエット』にも携帯電話をもたせてやりたい。 事前に説明をしておけば、ジュリエットは、ぶったおれているロミオを見て卒倒し、後追い自殺をすることもなかった。 ![]() |
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| また先日読んだ『チャタレイ夫人の恋人完全版』の2人にも携帯電話を持たせてあげたい。 森番メラーズは、チャタレイ夫人が旦那に問いつめられて外出できなくなり、約束の時間になってもあらわれない奥様を求めて、建物の外で一晩じいいいいいっと立ち尽くすなんちゅー、ストーカーまがいの徒労をしなくて済むのである。 奥様が旦那のすきを盗んでトイレとかにいって電話すればすむ。
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このように、携帯電話があれば悲恋は存在しなかったのである。 |
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