第4回
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■ 品位が保てる夏場のネクタイ

 去年のことだったかな。暑い時期にノーネクタイ運動を展開中の行政に対して、福岡市議会が「議員は品位を保つためにネクタイをきちっとする」ことを申し合わせたというニュースを、聞いた。

 品位=夏場のネクタイ姿

 これが品位を保つことになるのなら、議員は品位を保つために、いっそ全員が羽織りはかまの正装で議会にでてほしいぞ。

 くそ暑いのに、ネクタイで首をしめあげた姿で品位は保てるはずがない。スーツにネクタイで品位を保とうなんぞは、欧州の服装を至上とする明治維新直後の卑屈な欧米崇拝主義の残滓ではないのか。いっそ市議会議員制服とか作って品位をたもてばどうであろう。


 省エネルックはどこにいったんだ。あれは開襟シャツと半袖背広だったぞ。北朝鮮の金総書記は、南韓の金大統領を出迎えるときに、作業服だったではないか。ロシアのプーチン大統領を迎える時だって、中国の総書記と対面するときだって、あの姿だったのだ。

 しかし、無礼とか非常識とかいう声は聞こえてこない。福岡市議会も金総書記の質実主義を見習い、全員が北朝鮮から金総書記の作業服を輸入して、それを制服とし、公務を遂行してほしいものである。

 

 そのように主張する以上、僕は、誠意がこもった質実な行動で自分の品位を誇示するため、ためしに会社に、金総書記に近い格好ででかけて仕事してみた。会社人間といえどもみかけで仕事してるのではない。どのような格好でも、やるべきことさえやっていれば、周囲の人間も支持してくれるはずだ。

 作業服は持っていなかったので、普段着に使っている国防色に赤い肩章がついた軍服まがいの上着と、作業ズボンで職務についたのである。頭はパーマもかけていないし、サングラスっぽい眼鏡とかもしていないので、金総書記にくらべると、だいぶん品位は上だったと思う。

 しかし、周囲は僕の質実な仕事ぶりをみようともしなかった。
 「あははは、なんかいなあ、そのかっこ。仕事なめとらん?」
 「赤い肩章は何?」

 「仕事ヲ覚エタテナノデ二等兵ダカラデアリマス」

 と、質実な服装に注目が集中して、答えるのが面倒なほどであった。くそー。普段着で国家の重要行事を遂行しに出かけていっても、誰からも何の非難もされない金総書記と僕が決定的に違うのは、周囲を納得させる卓越した識見と指導力の差なのであろうか。僕には、それがなかったために、あれこれと揶揄されたのである。

 
 

 ということなので、無力な市議会議員諸君。僕と同じように無難な服装で包み込むことでしか己を処することができないということなので、これからも、どんなに暑くても、夏場はスーツにネクタイを欠かさないようにしましょう。われわれ凡俗には、姿を整えることこそが、品位を体現するすべてなのであります。

【最近目からチが出るほどに熟読しているページ】
 http://jongil.3nopage.com/

【イラストを描いてくれた人のページ】
 http://www.nishinippon.co.jp/media/A-3000/0009/shiroutoShinbun/


   

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