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第12回 | |
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| ■ ヒーロー登場!! (荘厳なBGM、星々瞬く無限の宇宙空間。エコーの効いたナレーション) 大いなる大宇宙・・・そこは生命に溢れ、自由と生の喜びを謳歌している。だが、悪の魔の手は時間と空間を超えて、常に我々を狙っているのだ!! 平和と法の守護者は? 彼だ!! 彼こそ、キャプテン・エイティー!! 正義とファミコンを愛する宇宙の戦士!! 彼こそ真実!! 彼こそ正義!! キャプテン・エイティー、ただいま参上!! ![]() そう、とこしえに栄光みつるファミコン・レンジャー!! 君は聞いたことはないか? ないか、すまん。 ![]() ストーリーの形態はバラエティに富んでいたが、王道はゲームの決闘ものだ。活躍するヒーローは読者の年齢層と合わせて小学生。対決、成長、友情の熱血少年路線だ。なかには、ゲーム開発秘話漫画、ゲーム名人物語漫画とかもあったと記憶している。ゲームのストーリーを漫画化したもの、ゲームパロディ系もあった。 そこには当時のブームを反映してファミコンにぞっこん魅せられた少年が登場する。光は闇の中で一際映える道理、当然ヒーローが活躍するためには対極する立場の存在がいる。 そう、悪がいるのだ。 勧善懲悪という筋書きは大変わかりやすい。そしてその悪が巨大であればあるほど、スポ根っぽいサディスティック具合で熱い展開になってくる。 ファミコンで世界を暗黒の時代に叩き込もうだとか、ファミコン(業)界を牛耳ろうだとか、エリートゲーマー集団を支配下に置いて裏技発見シンジケートを作ろうだとか、そういう悪だ。この(やくたいもない)巨悪に読者の分身である主人公はどう戦うか?・・・読み応え満点だ。 そうとも、ファミコン漫画は荒唐無稽エッセンス満載。 ファミコンで世界制覇を本気で企む悪の組織(秘密基地保有)はもちろんの事、ファミコン魔王とかファミコン死の五人衆を自称する奴、ファミコンに命を賭ける熱血ゲーマー達の激バトル(たまに時限爆破デスマッチあり)数え歌、ファミコン決闘で(本当に)死ぬ奴、人間業ではない超連射、ファミコンなのに秘境でくりひろげられる地獄の特訓、ファミコンで苦悩したりの悲喜こもごもの青春群像・・・。 キャプ翼(ゴールが地平線の彼方にある)や侍ジャイアンツ(投げ方が変)やリングにかけろ(見て下さい)等のスポ根少年漫画系の常軌の逸しぶりが可愛げがあるように思えてくる。ものがファミコンだけに、だ。 必殺技もそうだ。わかるだろうが、ファミコンのプレイスタイル自体が非常に静的だ。動くといったら指先と目と脳味噌だ。迫力にかける。野球とかボクシングのような動きのあるスポーツなら、ヒロイックなド派手アクション、必殺技みたいなのを盛り込むのは容易だろうが、ファミコンではそう簡単にはいかない。しかし、少年漫画である以上、一発でドカンとくる胸のすくような必殺技が欲しい。ピンチ、ピンチ・・・逆転の一発だ。必殺技同士の応酬も燃える。必殺技は不可欠だ。 だから、ゲームをプレイするにしては動きに恐ろしく無駄がある「必殺技」が量産された。「伝説の超連打ああ!!」みたいなのだ。 梶原一騎系かそれ以上のぶっ飛び路線。 ストーリー展開も壮絶だった。下手すると「ファミコンの神」とかいう奴も出てきて、「神々との戦い編」とかいう話が出てきておかしくない勢いなのだ。いや、実際あったかもしれん。あまりにエスカレートし過ぎてもはやSFさえと呼べるものもあった。 オーケーオーケー、いいんだ。あの時代にはそういうのはよくあった。ブームってやつはなんでもありなのだ。プラモだって、チョロQだってそうじゃないか。流行ったものを素材に熱血少年たちの活躍を描く。ブームに便乗、売れるからな。そして、えてしてエスカレート。とかく少年漫画関係はそうなる運命なんだ。常道であり、王道なのだ。その摂理は神ですら止められぬだろうし、止めてもらいたくないものだ。面白いから。唯一止められるのは編集関係の人ぐらいだろう。 いやに神格化、超人化されたファミコン名人もポイントが高かった。 彼らは主人公の苦境を救ったり、アドバイスしたり、その人間業とは思えないような技量で悪玉ゲーマーを苦もなく一蹴したりしてカタルシスをもたらしたりするのだ。当時、彼らはブームの象徴であり、子供たちのアイドルであり、夢を担う存在だったからだ。まあ問題ない。これも野球漫画に出てくる王やミスターの位置づけと同じ事だ。 ![]() ファミコンでも、ゲームアンドウォッチでも、セガマークIIIでも正義を愛する心と溶鉱炉なみの熱い情熱さえあれば地球はおろか、宇宙を救えるのだ。 そう、ファミコンをあなどってはいけない。いけないんだよ! ブームが去り、ありし日の思い出を取りすがる者のみの憧憬の対象でしかなくなっても、そうなのだ。 現行機種という第一線から退いたロートル、結構じゃないか。レトロ価値のみの存在。いいじゃないか。 いっておくが、人類という種に正義と骨董趣味はなくならない。歴史が紡がれているかぎり、レトロ需要は潰えはせんのだ。ファミコンはロートルには違いない。だが、我々にファミコンブームという熱狂の記憶を残したその後も、永遠の存在として今も生き続けているのだ。それほど凄いマシンなのだ。 ファミコンに生き、ファミコンに殉じた少年たちを忘れてはならない。 お前、そこの鼻ピアスでビジュアル系のお前だ。 お前その革ジャンいいな・・・違う、お前はプレステ2を武器に、世界に自分を頂点とする独裁体制を樹立しようとか思うか? エックスボックスを侮辱された事が心底悔しくてそいつをボコボコに粛正する・・・そんな誇り高い事ができるか? ファミコンは違うぞ。某ファミコン漫画のヒーローは言った。 「俺を馬鹿にするのは勝手だが、ファミコンを侮辱する奴は許さない」 ・・・とな。 さあ、どうだ。 何、お前の理論はファミコン漫画という絵空事を根拠にしているから所詮フィクションに過ぎない、だって? 聞こえたぞ、貴様。口のなかでもぐもぐ言っていても私にはわかるぞ。ファミコン・レンジャーは読唇術が使えるんだ、必要ないが。 前へ出ろ。私がそこに行ってつまみ出すまでしらばっくれているつもりか・・・お前だ、そこのキムタク似の奴だ。特に私はお前が気にいらん。私とキャラがかぶっておるからな。 貴様の非難めいた指摘は正鵠を射ているが、真実をついてはいないな。それでは栄えあるファミコン・コマンドのレンジャー選抜試験にはパスできない、残念だが。 まあまあというところだ。だが「アトランティスの謎」を「スーパーマリオ」と言ったところで所詮「アトランティスの謎」だ。ゲームシステムは気持ち似ているが、違うんだ。亜流ではあるが、非なるものだ。 わかるかね、いかにうがった見方でくさしようが、真実は真実としてそこにありそれはどうあっても動かし難い、という事さ。 ファミコンとは、力なのだ。 任天堂のファミコンブーム以来の成長ぶりを見れば推してしるべし、ではないか。エニックスはどうだ、スクウェアは? コナミは? ブームとは恐ろしい経済効果を・・・否! ファミコンとは、あらゆるものを支配下に置くことができるものなのだ。そういうエナジーがあるのだ。使い方を誤れば恐ろしい事になる。実際、悪が利用しようと虎視眈々と機会を伺っているのだ。 ゲームカセットの中には敵キャラが、悪の権化としてはびこっている。クソゲーもそうだ。悪徳海賊業者もそうだ。 いい医者を知っているだと・・・さえずっているがいい、唾棄すべき奴め。真実を真っ向から受け止めろ。 だから銀河政府(地球非加盟)は栄光のファミコン・コマンドを設立したのだ。たまに小粋にファミコマンドという奴もいるが、ゲーム雑誌、もしくはゲーム専門店っぽいので基本的に却下している。そんなふざけた略し方はこの私、キャプテン・エイティーが黄金の右手にかけて許さない。 ・・・そしてゲーム内の悪と戦う精鋭、我々ファミコン・レンジャーが活躍しているという次第だ。私がさっきからおだをあげているのはそういう事なのさ。もう私の邪魔はするな。 まだ得心いかぬようだな、度し難い奴め。おまけにスマップ系だ。君はあとで私の正義のビーム(一秒間50発)で蒸発させるから念仏でも唱えているんだな。くどいようだが、ファミコン・レンジャーは基本的に体育会系なのだ。 ん? なんだ、何を言っている。 聞こえんな、声を大にしてはっきり言え!! それともびびっているのか!? 何、それがもし本当の事ならお前たちは相当の暇人だ・・・だと!? んくうううううううう・・・・・(歯噛み)。 なんというモンキーな暴言だ、正義の使者として聞くに耐えん。 貴様、許さん!! 突然ですがキャプテンマジ切れモード!! 専用武装ジョイスティック・・・コネークト!! ガチャン!! ファミコニック・パワー・・・開放!! キャプテン自慢の正義のビーム(連射機能付き)、喰らうがいい!! 「エイティーズゲーマービイイイイイイイイム!!!!!」 ![]() つまらん事に時間を費やしたようだ。あ、なんだこの焦げ臭いの。君これ掃除しといて。 だが。 私は戦う!! そして悪に勝つ!! 行こう・・・永遠なる、あの世界へ!! |
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