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第26回 | |
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■ 俺の第一宇宙速度 東京生活最後の住宅となるであろう今回の引越しには、東雲キャナルコートとあって特別の思い入れがある。当選はしたものの、当選順位28位だったので、1週間くらい悩んで希望住戸順位表を書き上げた。図面をすべてに頭に入れ、各住戸からの眺めがどんな感じか、間取りの細かい違い、日当たりは、ベランダに出たときに上方に何があるかなど、想像力が要求されて楽しんで書いた。希望住戸順位表を書かないで、「家賃の安いやつ」「日当たりがいいところ」「上層階」というあいまい指定もできるが、僕は全部書いた。 |
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さて、これだけ毎日原稿ばかり書いていると、俺って作家?と勘違いしてしまう。ただし、ゲームデザインとは違って、創造性がいかんなく発揮されているという感じがない。つまり脳の特定の部位だけが働いて、脳に書かされている気がするのだ。技術書の難しいところは、しっかりしたターゲットを想定することにあると思う。試験的に書き始めた頃は、一体誰に向けて書いているのか分からず、実に捉えどころのない内容だった。ところがある日、共同著者の奥さんを読者に想定することを思いついた。これが決定的にその後の執筆スピードを上げたのだ。 家にいて執筆を続け、変化の少ない生活にひたっていると、ヨーカドーで新しいお酒のPRをしている、加藤あい似の女の子と話した挙句、試供品のビンを2本も薦められて受け取ってしまうことにでさえ、新しい発見を感じてしまう。 春からどういう仕事をしようか非常に悩んでいる。誰とどういう計画で、どこの仕事を請けながら進んでいくか。普通ならこのままシステムエンジニアとして進むところだろうが、なんとかゲーム業界に戻っていけるよう道を見極めたい。 |
![]() ゲラの山 ![]() リファレンスは疲れた |
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前世紀、自分の計画に巻き込んでしまったがために、少なくとも3人の人生を大きく狂わせてしまった。これがいつまでも悔やまれて仕方ない。ドリームキャストという最大のチャンスが訪れたときにも、人間としてあまりにも未熟すぎて、しかも雑念が多すぎた。ゲームは発売に至って、当時のスタッフ10名はそれぞれに充実感を味わうことができた。しかしあの時、何を優先し、何を犠牲にすべきかしっかり判断していれば、と思う日もある。このまま人生を送るのは実にはがゆいので、なんとしてでもゲームに戻ってやるのだ。もう、20代の遊び半分な雰囲気はない。誰と組んだとしても、その人にはもう家族がいて、すでに守るべきものがある可能性が高い。失敗したらそれまでで、2回目はない。慎重に、しかし急激に速度を速めていきたいとと思う。 H2Aロケット7号機の打ち上げをネットで見ながら執筆する。秒速6.1kmで太平洋を飛んでいるらしい。と思ったら、お茶を入れている隙に宇宙に行ってしまった。 |
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