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第13回 | |
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| ■ それは何故か地下にある これだと気に入ると飽きるまで繰り返す傾向にある。一種の病気かもしれない。 たとえば、1年ぶりにミスタードーナツへいく。おおー、オールドファッションというドーナツはこんなにさくさくしていたのか!と驚くと、それから3日毎日通いつめる。 あるいは、キースジャレットのパリコンサート「October 17, 1988」がいたく気に入ると、ひたすらそれを聞きつづける。イントロを聞いただけで泣けるようになる。 それは退院してしばらくたち、世の中にはこんなにも香りがあふれていたのかと驚く毎日が始まったころのある夜だった。 近所で売っていないものは、デパートにいくと必ずある。そんな印象を受けたのは、小学校5年の時だったか。そのころクラスのゲーム好き数名の間では、ドラクエ2をいかにして手に入れるかが、最大のテーマだった。近所のおもちゃ屋に発売日に入荷されるかどうかはまったくわからなかった。デパートのおもちゃ売り場なら、発売日に手に入れられるはずだ。僕は確実に手に入れたかった。従って、次に出てくるのは母親ということになる。実際にどうだったかはよく覚えていないけれど、きっと面倒がる母親を数時間説得し、開店前から並んで整理券をもらって、買ってもらったに違いない。 日本橋三越に正面から堂々と乗り込む。ブランド屋の横をすぎたあたりで、人の流れを発見した。そこには下に降りるエスカレータがあるのだが、ほとんどの人が街灯に飛び込む虫のように吸い込まれていっている。一体、この下にはどういう空間が広がっているのか。 |
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