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第2回 | |
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■ タヌキとエロ&ポップに33回転 そこでこのピンチ、きぬた姫の代役をたててしのぐことになり、抜擢されるのが“カチカチ山の泥右衛門”の娘、お黒ちゃん。偶然にも彼女は、きぬた姫のそっくりさんなのだった。家出したきぬた姫が戻ってくるまでの身代わりという約束なのだけれど、彼女がなかなか帰ってこない。その間に、お黒ちゃんと狸吉郎はすっかり恋に落ちてしまう。嗚呼、それなのに。家出したきぬた姫が帰ってきてお黒ちゃんと入れ替わっても、狸吉郎はそれには気付かずホンモノのきぬた姫とあっさり結婚してハッピーエンド、お黒ちゃんも元の生活に戻って幸せになる、というあっけらかんとしたお話の『初春狸御殿』。 ストーリーはともかく、すこぶるヘンてこな映画ですよ、これは。その理由は、何といっても“ミュージカル仕立て”だってこと。とりわけ、お黒ちゃんが姫の代役とバレないように殿様の気をそらそうと、城内、城下のたぬき総出でバカ騒ぎをする「狸祭り」のミュージカルシーンは圧巻です。10分くらい続くんだ、これが。それまでお城の風景だった画面が切り替わって突如、宝塚みたいな大階段のステージに。そこにさっそうと登場する狸吉郎こと市川雷蔵をもてなすべく、大勢のたぬき(といっても人の姿なんだけど)がワラワラと出てきて、「ちゃっきり節」「よさこい節」「佐渡おけさ」「五木の子守り歌」などにのせて「♪私しゃ〜会津のお湯だぬき〜」などと歌い、踊って、日本全国の民謡メドレーを繰り広げる。曲に合わせてステージも衣装も代わるあたりが豪勢。和田弘とマヒナ・スターズもちょんまげ姿でロマン歌謡を披露。そう、ミュージカルといっても、民謡とロマン歌謡なのが可愛くて可笑しい。 音楽だけでなく、おおらかな色気にも注目。必見は“カチカチ山の泥右衛門”邸の近くに住んでいる二匹の河童(毛利郁子、小浜奈々子)のコスチューム。これぞ、エロ&ポップ。必見!必見!青緑のロングヘアな河童ウィッグと、ほぼトップレス&ハワイアンダンサーがつけてるみたいな腰蓑のマイクロミニ版は、60年代ファッションの幕開けを象徴しているような斬新さ。この河童を見るだけでも一見の価値アリです。ちなみに、前述の「狸祭り」シーンでは、胸にさらしを巻かず、スパッツの短いやつみたいなの(スライディングパンツみたいなの、何て言うんでしょうか)もはかずに法被をはおった踊り子たちがたくさん出てきて、いやー、おおらかにエロスです。 それにしても、市川雷蔵の芸の深さってのはバカ騒ぎ映画に出ても際立っている。お黒役の若尾文子との恋が深まっていくシーンで舞う姿といい、傘越しのキスシーンといい…美しい。 |
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