第1回
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13
■ 衝撃のラストに3回転半

「まらそん侍」(昭和31年・大映・モノクロ・1時間30分くらい)
出演 勝新太郎/嵯峨三智子/夏目俊二/トニー谷/三田登喜子/
   益田キートン/大泉滉/旭輝子 ほか

レンタルビデオ屋で、ケースごとレジに持っていってみたらば、「次回からは中身だけで結構ですから」と店員からやや怒りの指導アリ。「えー、ケースは貸してくれないのー?」と、とぼけても通らず。

だからうろ覚えなのだが、今週のビデオ「まらそん侍」は、ケースに“心臓の弱い方は見ないでください”とか“痛快無類のチョンマゲ・マラソン”とかの非常に気になるコピーが書いてあったので借りることにした。と思う。

というわけで、この作品。舞台となるのは江戸末期の上州安中藩(今の群馬県安中市にあたるみたいだ)。毎年秋に「遠足(とおあし)の儀」というマラソン大会を恒例にしていたという藩。
走るのは家臣の武士たちね。ちなみに「マラソン侍」という銘柄の焼酎が群馬にはあるらしいです(20%)。

親友同志である二人の若い武士が、家老の一人娘、千鶴をめぐる恋の勝負をマラソンにかけるという話。とはいえ、テーマは恋の行方ではなく、私好みの「男の友情」。

藩校で机を並べて習字を稽古中の二人。唐突に「自分が好きな人の名前を書いて見せ合おう!」
「おうさ!」というようなことになって、「千鶴殿」と書いた半紙をババーンと突き合わせてしまいお互い愕然とする“好きな人白状シーン”もさることながら、俺達は親友なのに恋敵になってしまった、こうなったら正々堂々の勝負だ、ひきょうな裏切りはさけよう、と爽やかに言い放つシーンなど、至るところで男気大炸裂。そのうちの一人を演じる勝新太郎当時25歳がキリリとした歌舞伎メーク顔ってのはどうかと今思えば思うが見ている最中は気にならないのが不思議だ。

とにかく二人とも千鶴殿一筋。勝新なんか、別の娘に猛アタックされようと、一方的に尽くされようと、見向きもしない。

という二人。学問、武術などなど実力伯仲。ついにマラソン大会に戦いは持ち込まれるのだけれど、これが同着の一等という結果。二人の勝負はまたも引き分けに。が、意外なところで決着がつくことになるのだ。

一等賞のご褒美に「二人には何でも好きなものをとらせる」と言うお殿様。「あ、でも千鶴嬢ってのはナシね」と条件付き。

そこで勝新が答えたひと言で、ついに一件落着。千鶴をめとるのはどちらかが決まる。が、しかし、いやー、衝撃です。この“ひと言”。や、男の友情は貫徹されている。パーフェクト。でも「えーっ!?」です。そんな手があったのかーっ。というより、そんな手でいいのかーっ。

この「えーっ!?」な感覚は、江戸時代とのギャップなのか、江戸時代をこう描いた昭和30年代とのギャップなのか、それとも単に私がヘンなのか、よく分からない。

最後に、この映画はストーリーとは別に見どころが満載。とりわけ、泥棒一味として出ているトニー谷&益田キートンの芸が可笑しくて楽しい。


<- ひとくち感想はこちらからどうぞ



Copyright (C) 2001-2005 CARAMELPOT.COM